クリスマスソングの作り方

クリスマスソングを作りたい

 

12月の声が聞こえてくると、

町中のあちこちからクリスマスソングが聞こえてきますね。

 

幼いころから多くのクリスマスソングを聴いてきたので、

パブロフの犬のごとく、これらの音楽を聴くと心がウキウキしてきます。

 

歌を作る者としては、

自分も素敵なクリスマスソングを作りたい!

…と思うのは当然のことです。

 

しかし、

これまで世に出ている曲を超えるような曲は果たしてできるのか?

 

試行錯誤しながら作った過程を書いてみたいと思います。

 

 

わが師匠の作ったクリスマスソング

 

わたくしの修業時代。

作曲家を目指して東京で売り込み活動をしていたわけです。

その間、

作詞家の、故・吉岡治先生の運転手やマネージャーをさせていただいていました。

 

吉岡治先生の作品は昭和の歌謡曲の代表作品ばかりです。

石川さゆり「天城越え」大川栄策「さざんかの宿」

都はるみ「大阪しぐれ」瀬川瑛子「命くれない」

美空ひばり「真っ赤な太陽」などなど

 

演歌だけの作家と思いきや、「おもちゃのチャチャチャ」も作っていますし、

クリスマスソングの定番となった「あわてんぼうのサンタクロース」も書かれています。

 

さすが師匠!

 

「あわてんぼうのサンタクロース」

作詞:吉岡治 作曲:小林亞聖

 

創作のアイデアはどこから?

 

クリスマスソングの創作に限ったことではなく、

曲作り、作品作りのレシピ、、、みたいなものがあれば誰も苦労はしません。

 

でも、コンスタントに作品を作り出している作家は、

自分なりのレシピは持っているハズです。

 

まず、歌を作るうえで、曲先(きょくせん)か詞先(しせん)か

を決めて作るのが一般的です。

 

曲先とは、メロディ・コードを先に作って、あとから詞をはめ込む。

詞先とは、先に詞を書いてその詞にメロディを作っていく。

どちらがやりやすいかは個人によってまちまちです。

 

私は「曲先」で作るのが好きです。

 

曲先で作るにしても、

歌全体のコンセプトを決めないとメロディも浮かびません。

 

私がよくやる方法のひとつに、歌のタイトルをまず決めてしまう。

タイトルの良い歌は、人の心に響きやすいのです。

 

私が考えたのは、

そのキーワードを見れば「クリスマス」だとわかるもの。

たとえば、聖夜とかジングルベル、キャロル、サンタクロースですね。

 

ただ、普通にそのキーワードを使っても面白くないわけです。

「待ち遠しいジングルベル」とか「サンタさんの愛の贈り物」

…としても、なんか面白みがないでしょ?

 

そこで、「ズラす」のです。「ええ?なんで?」という意外性があればOK。

 

師匠の「あわてんぼうのサンタクロース」は、

クリスマスの前に来ちゃったわけですよね。

 

ユーミンに「恋人はサンタクロース」というのがありました。

これも、「ええ?どういうこと?」と意外性があります。

 

カンタンに言えば、

「えっ?それどういうこと?なんで?」

…というタイトルが心に残るタイトルだと言えましょう。

 

完成したクリスマスソング

 

ということで、

私が選んだキーワードは「トナカイさん」

トナカイさんって、クリスマスしか登場しないイメージなんですけど。

そうですよね?

 

次にこの「トナカイさん」をズラす。

いつもプレゼントを運ぶ役なので、ウクレレを弾かせたら?

どうなるんだろうと考えが進みました。

 

で、タイトルを「トナカイさんがウクレレ弾いた」にした。

 

ここから、また思索。

トナカイさんがウクレレ弾いたらどうなるの?

 

詞の内容を考えていたら、

曲のメインメロディが降りてきた。

 

そこからまた、メロディと詞の試行錯誤。

 

で、完成したのがこの曲です。

 

「トナカイさんがウクレレ弾いた」

  作詞&作曲 ツカム

 

 トナカイさんがウクレレ弾いた 

 サンタのお仕事投げ出して

 トナカイさんがウクレレ弾いた

 とっても楽しそう

 

  毎年の荷物運びに とっても疲れたの

  時には少しはじけて 歌って踊りたい アンアンアアアン

 

 トナカイさんがウクレレ弾いて

 またひとつ夢見つけた

 

  ホントは目立ちたがり屋で ちょっぴり照れ屋なの

  十八番(おはこ)はまだないけれど 気にせずはしゃぎたい アンアンアアアン

 

 トナカイさんがウクレレ弾いて

 またひとつ夢見つけた

 

また次の新しい歌を機嫌よく作っていきまーす。