誰でも何か新しいことを始めるときは、
とてつもない不安に襲われるもの。
それが人生の進路にかかわることなら尚更。
私も、
30年前、作曲家になろうと大阪から単身上京したときがそうだった。
普通の会社員を辞めて、
東京に乗り込んだのが、ここ三鷹市。
30年ぶりに訪れたけど、
やっぱりだいぶん変わっていた。
(2022.7.29)
ああ、ここの散髪屋まだあるやん。
ここに、レンタルCD屋があったのにコンビニに変わっている。
私の住んでいた思い出のアパートは、
2年前のGoogle MAP検索ではまだ存在していた。
果たしてまだあるのか?
猛暑の中ひたすら歩く。
こんなに駅から遠かったっけ?
お金もなかったし、なるだけ安い物件を探したんだ。
歩くこと12分ぐらい。
あった!
このアパートで、
自分の作曲作品が世に出ることを信じて、
毎日曲作りに励んでいた。
この場所が、私の中の「トキワ荘」なのだ。
当時は、今のような音楽制作環境も整ってなく、
宅録できるようなDAWも、オーディオインターフェースもない。
パソコンで音源を打ち込んで、
8トラックのマルチトラックレコーダーというものに流し込んで、ボーカルを吹き込んで、ミックスしたデモテープを作っていた。
建物を見ると、部屋の間取りや、当時作った曲のことも思い出した。
懐かしいなぁ。
まだ、住んでる人がいるんだ。
ここから、
人の出会いに恵まれて、
レコード会社のプロデューサーを紹介してもらった。
毎月毎月、
新しい作品を聴いてもらいに、
溜池にあるレコード会社まで通った。
しかし、
どこの馬の骨がわからない奴に、
おいそれと仕事をくれるわけがない。
「また、聴かせてね」と程よく断られ続ける日々。
それでもめげずによくやってたなぁ。
今回の東京滞在で、
また新たな心境になりチャレンジしたいことが明確になった。
ありがとう。
と、この地に感謝した。